カレントアウェアネス-E
No.95 2006.11.22
E572
韓国国立中央図書館のデジタルレファレンスサービスの動向<日韓業務交流報告>
9月19日から26日まで,国立国会図書館から代表団3名が訪韓し,韓国国立中央図書館(NLK)との間で第10回日韓業務交流が行われた。うち,今回のメインテーマ「電子情報化時代のレファレンスサービス:協力型デジタルレファレンスネットワークの構築を中心として」に即して発表されたNLKのサービスを紹介する。
NLKでは,2004年から主題専門司書制の体制をとり,2005年から同館サイトで掲示板式サービス「司書に聞いてみましょう」を提供している。これは,登録利用者が主題別のアドレスに登録した質問に対して,司書の回答をメールで配信する,というサービスであるが,専任の担当者を配置していない試行的実施であったため,各主題資料室の司書への負担が大きかった。またNLK内部の協力体制だけでなく,外部との人材・資源の共有による協力体制の必要性も浮き彫りになった。
そこで,2005年12月,研究チームを立ち上げ,先行事例の調査を実施し,2006年4月から,公共図書館を対象とする協力型デジタルレファレンスネットワークの計画を開始した。4月と7月にワークショップ,8月から全国514の公共図書館に対しアンケート調査を行い,これらの結果をもとに,具体的な協力モデル構築のための研究をすすめている。2006年度内に,システム構築基本計画を完成させる予定であるという。
なお,今回の業務交流の詳細は,『国立国会図書館月報』2007年1月号で報告される。
(図書館協力課:吉間仁子)
Ref:
http://www.nl.go.kr/international/kj_01_01.php
http://www.nl.go.kr/international/kr_5.pdf
http://nl.go.kr/digitalref/ref_user/ref_ask/subject_list.php?prev=ask.php