カレントアウェアネス-E
No.83 2006.05.24
E486
RLGとOCLCが統合へ
米国の大手書誌ユーティリティであるRLGとOCLCの評議委員会はこの度,2006年7月1日付けで組織の統合を行うことを発表した。OCLCとRLGの双方が提供している類似のサービスをOCLCからの提供に一本化するもので,統合後の組織名は“OCLC(Online Computer Library Center)”が引き継がれる。RLGの会員機関は,統合案の是非について6月7日までに投票することになっており,3分の2以上の賛成が得られれば統合となる。
1974年に設立されたRLGは,150以上の図書館,文書館,博物館等で構成される非営利団体で,約400の言語,幅広い分野をカバーした総合目録を提供している。また,OCLCは1969年に設立された非営利団体で,109か国54,000の図書館に対してコンピュータを用いた目録・資料保存サービスを展開している。今回の統合では,RLGの総合目録をOCLCが提供するWorldCatに統合することになっており,総合目録の統合後の名称はWorldCatとなる予定である。OCLCは,WorldCatをYahoo!,Googleなどの検索エンジンを通して利用できるよう取り組んでいるところであり(E354参照),今回の統合にはWorldCatの収録範囲を拡大する狙いがあるとの見方もある。
OCLCのCEOであるジョーダン(Jay Jordan)氏によると,今回の統合によって情報の収集・保存・提供をより効果的に行うことができ,業務の冗長性がなくなるとともに,両者のサービスの相互運用性を高める効果が期待できるとのことである。
Ref:
http://www.rlg.org/en/page.php?Page_ID=20942
http://www.oclc.org/news/releases/200618.htm
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb060508-1.shtml
E354