E469 – 学校図書館の質的向上に必要なもの−英国教育水準局の報告書

カレントアウェアネス-E

No.80 2006.04.05

 

 E469

学校図書館の質的向上に必要なもの−英国教育水準局の報告書

 

 英国の教育水準局(Office for Standards in Education:Ofsted)は,2004年9月から2005年7月にかけて国内の初等学校および中等学校32校を対象とした訪問調査を行い,その結果明らかになった学校図書館の現状と良質な学校図書館をつくるために必要と思われる要素を報告書“Good school libraries: making a difference to learning”にまとめ,3月21日付で発表した。

 報告書によると,「優れた学校」においては,十分なトレーニングを受けた図書館員がほかの職員と協働し,児童・生徒の読書環境の整備に重要な役割を果たしているという。その一方,多くの学校図書館は利用機会の多い昼休みに開館していないこともありあまり児童・生徒に利用されていない,また,多くの学校が,学校図書館の利用状況やインパクトをチェック・評価していない,といった傾向が明らかになった。

 これを踏まえて,優れた学校図書館を作るためには,校長のサポート,十分なトレーニングを受けた専門的な図書館員の存在,学校図書館業務の適切な評価,児童・生徒の情報リテラシー能力を向上させるプログラムの設定,といった要素が必要となるであろうと指摘している。

Ref:
http://www.ofsted.gov.uk/publications/index.cfm?fuseaction=pubs.displayfile&id=4170&type=pdf
http://www.davidruffleymp.com/newsshow.asp?ref=463