E438 – ウェブサイトのアクセシビリティ向上に向けて <文献紹介>

カレントアウェアネス-E

No.75 2006.01.18

 

 E438

ウェブサイトのアクセシビリティ向上に向けて <文献紹介>

 

 総務省. 公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会 報告書 -誰でも使える地方公共団体ホームページの実現に向けて-. 2005, 121p. (オンライン), 入手先< http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/051215_1.html >, (参照2006-1-13).

 2004年6月の「JIS X 8341-3:2004(ウェブコンテンツJIS)」の制定とともに,公共分野におけるアクセシビリティ対応もより重要視されてきているが,実際のところ,図書館を含めた公共サービスにおけるアクセシビリティ確保への取組みはまだ十分とは言いがたい。総務省は,こうした現状を踏まえ,2004年11月から本研究会を開催,主に地方公共団体が提供するホームページのウェブアクセシビリティの維持・向上に向けた運用モデルの検討を行ってきた。

 本報告書では,これまでの検討結果にもとづき,地方公共団体でのサイト運営に実際に活用できる具体的な運用モデルや各種手順書・ワークシート類を提案している。まず第1部ではアクセシビリティの国内外の動向および地方公共団体における現在のサイト運営状況の調査結果を示し,アクセシビリティ対応への課題として(1)担当者のスキル格差,(2)ウェブサイトの調達・運用・評価手順を示す具体的な運用モデルやガイドラインの不足,などを挙げている。第2部では,第1部の課題解決として,地方公共団体のウェブアクセシビリティ確保の取組みモデルである「みんなの公共サイト運用モデル」を提案,実際に当運用モデルを活用した地方公共団体での実践例とあわせてその有効性を実証評価している。付録には「みんなの公共サイト運用モデル」で用いる各種手順書,ワークシート類がまとめられている。

 総務省では今後も「みんなの公共サイト運用モデル」の積極的な活用を促すための取組みを継続的に進めていくとしており,誰でも使えるホームページの実現に向けた今後の動きに期待できる。

Ref:
http://www.aao.ne.jp/accessibility/jis/