E356 – 新しいシンガポール国立図書館−新館の開館と新戦略計画

カレントアウェアネス-E

No.63 2005.08.03

 

 E356

新しいシンガポール国立図書館−新館の開館と新戦略計画

 

 蔵書の増加やサービスの拡大に対応するため2001年から建設されていたシンガポール国立図書館の新館が完成し,去る7月22日に開館した。延床面積は旧館の約5倍となる約58,000平方メートルで,中心施設であるリー・コン・チャン・レファレンス図書館(LKCRL)や中央貸出図書館のほか,展示場や演劇ホールなども備えている。

 新館の完成とあわせて,国立図書館の蔵書も63万点以上となった。このうち芸術,ビジネス,シンガポール・アジア関連資料など50万点が,14階建ての建物のうち7フロアを占めるLKCRLに収められている。報道によると,開館日の22日にはLKCRLに33,000人,中央貸出図書館に12,500人もの利用者が訪れたという。

 また,新装開館前日の7月21日には, 1994年から進められてきた“Library 2000”(CA1136参照)の後継となる“Library 2010”が国立図書館委員会(NLB)から発表された。知識経済社会への貢献を掲げ,生涯学習のサポートを目的とした今後5年間の戦略の方向を示したもので,蔵書の質・専門性の強化,コミュニティ活動のサポート,情報リテラシー教育,有形の資料・施設とオンライン環境との融合といった項目について述べられている。

Ref:
http://www.nlb.gov.sg/CPMS.portal?_nfpb=true&_pageLabel=CPMS_page_NLB_NL_highlight
http://www.channelnewsasia.com/stories/singaporelocalnews/view/159976/1/.html
http://203.78.11.89/Announcement/nlb_L2010.pdf
CA1136