E282 – インド洋大津波による図書館の被害状況

カレントアウェアネス-E

No.51 2005.01.19

 

 E282

インド洋大津波による図書館の被害状況

 

 2004年12月26日に発生したインドネシア・スマトラ島沖地震とこれに伴うインド洋大津波は,15万人を超える犠牲者を出すなど大きな被害を及ぼしているところであるが,図書館もその例外ではなく,いくつもの館で施設の倒壊などが確認されている。

 特に,沿岸部の大半で津波の被害を受けたスリランカでは,国立図書館の調査により学校図書館177館,公共図書館53館,宗教施設の附属図書館68館が倒壊などの被害を受けたことがこれまでに明らかになっている。しかし,これは被害の一部であり,洪水のため交通が寸断されている地域の被害が明らかになれば,この数字はさらに増える可能性もあると,国際図書館連盟(IFLA)は1月6日付プレスリリースで報告している。図書館等の被害状況を調査し復旧にあたるため,スリランカ国立図書館,IFLA,ユネスコなどの代表者で構成されるスリランカ図書館災害対策委員会が設立された。

 このほか,米国図書館協会のプレスリリースでは,インドネシアの公共図書館における蔵書・設備の壊滅的被害や,バングラデシュの図書館における施設倒壊の危険性といった被害事例が報告されている。まだ災害発生から間がないこともあって断片的な情報にとどまっているが,今後より詳細な被害状況が明らかになるものと思われる。

Ref:
http://www.ifla.org/V/press/tsunami-SriLanka-report2.htm
http://www.ala.org/Template.cfm?Section=News&template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=83993
http://portal.unesco.org/ci/en/ev.php-URL_ID=17908&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
http://www.ifla.org/V/press/tsunami-SriLanka-report4.htm
http://www.natlib.lk/web-1.htm