E113 – 電子ジャーナル出版の実態調査

カレントアウェアネス-E

No.20 2003.08.20

 

 E113

電子ジャーナル出版の実態調査

 

 学協会出版者協会(Association of Learned and Professional Society Publishers : ALPSP,注)は,欧米・アジアの275の主要学術雑誌出版者を対象にオンライン出版の方針と実務に係る実態調査を実施し,報告書を6月に発表した。

 価格体系,リンキング,一部売り,複数雑誌の一括提供,コンソーシアム契約,バックナンバー,長期保存,権利関係などの観点から現時点の電子ジャーナル出版の現状が明らかにされている。電子ジャーナル市場は未だ発展途上にあるが,調査で示された重要な兆候として,(1)現在,75%の雑誌がオンラインで利用できるが,近い将来にはほとんどがオンラインになる,(2)オンライン価格体系は冊子体の価格と結びついているがこれは過渡的なものである,(3)大規模出版者ほど単純な価格体系,多様な購読形態,高機能性などの特徴がある,(4)バックナンバーへのアクセスは不可欠のサービスとなりつつあること等が挙げられている。

(注)1972年に設立された非営利学術出版者の国際団体。英国に本部があり27か国の254機関から構成されている。

Ref:
http://www.alpsp.org/publications/pub7.htm