E1074 – 2010年の米国図書館協会(ALA)年次大会が開催される

カレントアウェアネス-E

No.175 2010.07.22

 

 E1074

2010年の米国図書館協会(ALA)年次大会が開催される

 

 2010年6月24日から29日にかけて,米国図書館協会(ALA)の年次大会(E955参照)がワシントンD.C.で開催され,様々なテーマに沿った数多くのイベントが実施された。Library Journal誌等の記事を基に,その一部を紹介する。

 近年の大会で関心の高い,図書館情報技術部会(LITA)のパネルディスカッションは,今大会でも多くの聴衆を集めた。最近の動向として,一つのツールを複数の用途で使うようになっていること,モバイル機器へのシフトやクラウド・コンピューティングへの動き,本などの情報の入れ物(container)よりも情報の中身(contents)が重視されるようになっていること等の見解がパネリストから示された。また,図書館の役割について,クリエイティブな仕事をする人を支援し創造が起こる場所となるべきであり,例えるなら「食料品店」ではなく「キッチン」になる必要がある,という指摘もなされた。

 公共図書館による地域住民向けサービスに関する事例の発表のセッションでは,外国生まれの住人を対象とした英語での会話や読み書きのプログラム,米国市民権取得のための試験に関する情報を集めたウェブサイト,GED(大学進学のための学力試験)の実施,職探し中の人や中小企業経営者のための経済的支援についての情報提供等の事例が紹介された。

 その他,優れた児童書や絵本に対して贈られるニューベリー賞(John Newbery Medal)及びコルデコット賞(Randolph Caldecott Medal)の両賞の授賞式や,Library of the Yearに選ばれたコロンバス・メトロポリタン図書館(E1063参照)の表彰が行われるとともに,今回で6回目となるブックトラックを使ったダンスコンテストも開催された。また,ワシントンD.C.での開催ということもあり,大会最終日に,「図書館アドヴォカシー・デー」のアピールのための行進が行われ,行進後には,参加者がそれぞれの地元選出の連邦議会議員を訪問し,図書館界への支援を訴えたとのことである。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/lj/community/ala/885562-448/ala_2010_tech_trends_ereaders.html.csp
http://www.libraryjournal.com/lj/community/ala/885535-448/ala_2010_public_libraries_renew.html.csp
http://www.libraryjournal.com/lj/community/ala/885547-448/ala_2010the_hard_road_to.html.csp
http://www.libraryjournal.com/lj/community/ala/885538-448/ala_2010_library_of_the.html.csp
http://www.pio.ala.org/visibility/?p=1931
http://www.libraryjournal.com/lj/community/ala/885569-448/ala_2010_a_first-ever_advocacy.html.csp
E955
E1063