カレントアウェアネス-E
No.15 2003.06.04
E082
難を逃れたイラク国立図書館コレクション
イラク戦争による混乱の結果,多数の文化施設とその収蔵品が略奪,焼失の被害に遭った。イラク国立図書館についても貴重な資料の損失が一時伝えられていたが,その後の報告で,資料は開戦前に別の場所に移され,その大半が無事だということが分かった。
詳細はなお不明であるが,国際図書館連盟(IFLA)の調査報告によれば,同館の蔵書50万冊(5万冊の貴重書を含む)が略奪や焼失の被害を受けたものの,事前に避難させた初期の新聞資料等は無事だという。New York Times等の新聞各紙も,国立図書館の蔵書の大半が無事であると報道している。
ユネスコの松浦晃一郎事務局長は,各国の専門家を招請して今後の対応策を検討する国際会合を開催し,図書館など文化施設の早急な保護・監視の必要性を訴える声明を出すとともに,5月15〜20日まで使節団をバグダッドに派遣し実態調査を行った。ユネスコのほかIFLAや米国図書館協会,英国図書館等も復興に向けての援助を表明している。
Ref:
http://www.ifla.org/VI/4/admin/iraq0205.htm
http://www.ala.org/al_onlineTemplate.cfm?Section=American_Libraries&template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=30372
http://portal.unesco.org/en/ev.php@URL_ID=12221&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html