オープンコースウェア(OCW)など、各教育機関やその他の団体が教育用資源として無料提供している、いわゆる「オープン化された教育資源(OER)」について、どのようなライセンス・利用条件のもとで提供されているかを、教育・学習用コンテンツのオープン化を支援するクリエイティブ・コモンズの1プロジェクト“ccLearn”が調査しています。
この報告書によると、(1) OERの提供者が課している利用条件はしばしば見つけにくく、またわかりにくい、(2) OERの提供者間で、「オープン」という用語が異なる条件を指すものとして用いられていることが多く、一般的な「オープン」の理解と矛盾しているものもある、(3) 互換性のないライセンス条項がしばしば見られ、異なるOER提供者の資料を統合することを妨げている、といったことがわかったとのことです。その上で、1. ライセンス条項の明確化、2. 同、標準化、3. 互換性・再利用可能性の保障、の3点を勧告しています。
なお、日本の大学が提供しているOCWも、調査対象に含まれています。調査結果では、慶應義塾大学のOCWがクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用しているほかは、独自ライセンスとなっていました。
ccLearn Reports
What status for “open”? An examination of the licensing
policies of open educational organizations and projects
http://learn.creativecommons.org/cclearn-reports
日本オープンコースウェア・コンソーシアム
http://www.jocw.jp/index_j.htm
参考:
教育資源のオープン化に関するブリーフィングペーパー
http://current.ndl.go.jp/node/8743
オープン化された教育資源がとるべき方向性とは?
http://current.ndl.go.jp/node/7435
教育資源のオープン化に関するブログ記事を集めたサイト“OER Blogs”
http://current.ndl.go.jp/node/7229