フィラデルフィア市長に批判の声続々-図書館友の会は新しい行動を開始

財政難のため、市内の54の図書館のうち11館を閉鎖、3館の開館時間を削減、111名のスタッフを削減、という案を出した米国フィラデルフィア市長に対し、市議会が、図書館の閉鎖を延期するよう求める決議をしました。この決議には拘束力はなく、市長のスポークスパーソンは「粛々と計画を進めるが、(図書館の)代替的な利用を可能にすべく、パートナーと取り組み続ける」と地元紙に答えています。

また市長が財政難対策を説明する市民集会でも、「本を読ませて!」といった批判の合唱(チャント)が巻き起こったそうですが、市長は揺るがなかったそうです。フィラデルフィア公共図書館の副部長によると、市の計画では、地方(田舎)部の図書館は残す、図書館を閉鎖するところはリクリエーションセンターなどにインターネットアクセス可能なPCを設置する、といった対応を取るものと目されています。

また、既報のとおり市が民間業者との連携を模索している中、図書館友の会は、企業、慈善団体、大学などの経営者を訪ね、図書館を開館し続けるために必要な資金への援助、またそれが無理な場合には各々の施設をコミュニティの学習センターとして無償で(=企業等の負担で)利用させてもらえないか、と依頼する活動を開始しています。

Philadelphia City Council Urges Mayor To Delay Library Closures – 12/5/2008 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6620248.html

In Philadelphia, Mayor Faces Criticism Over Library Closings – 12/2/2008 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6618984.html

参考:
フィラデルフィア図書館友の会、図書館閉鎖に反対する抗議活動を展開
http://current.ndl.go.jp/node/9553
フィラデルフィア市長、税収の大幅減で20%の図書館・図書館員を削減する苦渋の提案
http://current.ndl.go.jp/node/9305