Google、著作者団体・出版社団体と和解-著作権保護期間内の書籍もBook Searchで提供へ

Google社が2008年10月28日、かねてより同社のBook Search事業を訴えていた著作者団体“Authors Guild”および米国出版社協会(AAP)と、著作権保護期間内にある書籍についてもBook Searchで提供することで合意したと発表しました。裁判所に認められ次第、和解が成立することになります。

これにより、Google Book Searchには、新たに「購入」というオプションが加わります。購入により、著作権保護期間内にある書籍についても全文にアクセスできるようになります。図書館や大学等の機関単位での購読契約オプションもあります。この購入オプションは、さしあたっては米国のみとなっていますが、Google社は「将来的には各国の業界団体や個々の権利者と協力して、この契約がもたらすメリットを世界中のユーザーに広めたいと考えています」としています。

著作権者は、Google社が創設する“Book Rights Registry”に登録することで、当該の著作物をどのようにオンラインでアクセスさせるか、またそれによりどのように報酬を得るのかをコントロールすることができるとされています。報酬源としては、デジタル化の代償、機関購読契約料、書籍の売り上げ、広告収入、その他の収入などが挙げられています。Google社はこの“Book Rights Registry”創設および和解の費用として、総額1億2,500万ドルを供出するとのことです。

合意した3者は、これを「歴史的な合意」としています。

Authors, Publishers, and Google Reach Landmark Settlement
Copyright Accord Would Make Millions More Books Available Online
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/20081027_booksearchagreement.html
(Google社のプレスリリース)

Google ブック検索和解契約
Google ブック検索のこれから
著者および出版社との画期的な契約
http://books.google.com/intl/ja/googlebooks/agreement/

Google ブック検索著作権和解
http://books.google.com/booksrightsholders/
(著作権集団訴訟和解のための和解管理ウェブサイト。日本語でも提供されています。)

The Authors Guild – $125 Million Settlement in Authors Guild v. Google
http://www.authorsguild.org/advocacy/articles/member-alert-google.html
AAP, Authors Guild, Google Announce Groundbreaking
Settlement over Google Book Search Library Project
http://www.publishers.org/main/Copyright/CopyKey/copyKey_01_03.htm

Official Google Blog: New chapter for Google Book Search
http://googleblog.blogspot.com/2008/10/new-chapter-for-google-book-search.html

Inside Google Book Search: Unlocking access to millions of books
http://booksearch.blogspot.com/2008/10/unlocking-access-to-millions-of-books.html

参考:
E392 – Yahoo!とGoogleのデジタル図書館構想,その岐路
http://current.ndl.go.jp/e392