NIHパブリックアクセス方針を支持する動きも活発化-今議会中も油断は禁物

米国国立衛生研究所(NIH)のパブリックアクセス方針を覆すとともに、同様の方針を連邦政府機関が定めることを違法とする内容を含む法案“Fair Copyright in Research Works Act”(H.R.6845)に対し、NIHパブリックアクセス方針を支持すると共にこの法案に反対する動きも広がっています。Library Journal誌によれば、47名の著作権専門家・法学者、33名のノーベル賞受賞者が議会等に反対の書簡を送っているようです。また公聴会の場において前米国著作権局長がNIHパブリックアクセス方針に対する数多くの疑義を表明したのに対し、現米国著作権局長や著作権局が沈黙を守っていることについて、図書館コミュニティの間では「出版社側の動きを支持する動きを取っておらず、この法案を不必要なものと見なしている」と解釈されていると報じています。

またAlliance fot Taxpayer accessによれば、米国図書館協会(ALA)、北米研究図書館協会(ARL)など9つの図書館関連団体も同様に反対の意を表明しているようです。Alliance fot Taxpayer accessはまた、H.R.6845に対する反対するよう議員に呼びかけるアドヴォカシー活動を呼びかけています。

なおLibrary Journal誌は、法案H.R.6845は当初今年中の審議は行われない見通しだったが、他の審議中の法案(PRO IP Actなど)にH.R.6845の条項が盛り込まれる可能性があり、今議会でも審議される可能性がまだある、とする小委員会委員長の談話を掲載しています。ARL担当者も、今議会、次議会とも油断は禁物、としています。

In Blunt Terms, Copyright Lawyers, Researchers, Librarians Blast Anti-NIH Bill – 9/19/2008 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6597446.html

Alliance for Taxpayer Access : NIH Public Access Policy
http://www.taxpayeraccess.org/nih.html

CALL TO ACTION: Tell Congress you oppose the Fair Copyright in Research Works Act
http://www.taxpayeraccess.org/nih/HR6845calltoaction.html

米国: 再燃したNIH方針を巡る駆け引き - 情報管理Webニュース(β版)
http://johokanri.jp/news/?p=901

参考:
NIHパブリックアクセス方針に関する公聴会は終了したが・・・複数の著作権法改正案が議会に提出(米国)
http://current.ndl.go.jp/node/8811

著作権に対する「挑戦」!?:米連邦議会下院、NIHパブリックアクセス方針に対する公聴会を開催
http://current.ndl.go.jp/node/8769