米共和党のペイリン副大統領候補、市長時代に図書館に禁書を要求、と報じられる

米国共和党の副大統領候補となったペイリン(Sarah Palin)氏が、1996年のアラスカ州ワシラ市長時代に、支持者の求めに応じて、図書館に禁書を要求したとされる報道が、New York Times紙をはじめとする多くの新聞・雑誌に掲載され、米国の図書館界に大きな議論を巻き起こしています。当時の図書館長はそれに従わなかったとのことですが、それも一因となって、「市長を支えない」ことを理由に辞任するよう迫られ、辞任に追い込まれたとも報じられています。アラスカ州図書館協会の知的自由委員会委員長は、ワシラ市図書館の禁書の記録はなく、館長(当時、アラスカ州図書館協会長でもあった)に関する議論の記録も残っていないとしながらも、「ペイリン氏は館長を辞めさせたがっており、解雇したも同然」と当時のことを語っています。ただし、ペイリン氏・当時の図書館長とも、各紙・誌のインタビューには答えておらず、真相はまだ明らかになっていません。

なお米国図書館協会(ALA)のレッティグ(Jim Rettig)会長は2008年9月3日、禁書一般に対して反対することを改めて明示しながら、法人の位置づけ上、政治的議論が禁じられていることに注意を喚起しています。これを受ける形で、議論の場は、政治的議論も認められている関連組織であるALA関連専門職協会(ALA-APA)のフォーラムや、「ペイリン氏に反対するライブラリアンの会」というブログとなっています。

Mayor Palin: A Rough Record – Time
http://www.time.com/time/politics/article/0,8599,1837918,00.html

Palin’s Start in Alaska: Not Politics as Usual – New York Times
http://www.nytimes.com/2008/09/03/us/politics/03wasilla.html

ALA | American Libraries – Critics Revisit Library Incident that Paints Palin as Censor
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2008/september2008/palinswasillastory.cfm

Library Blog Blasts Palin – 9/4/2008 5:26:00 PM – School Library Journal
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6593199.html

ALA | ALA President Jim Rettig releases statement on censorship
http://www.ala.org/ala/pressreleases2008/September2008/RettigStatementSep08.cfm

apaforum@ala-apa.org
http://lists.ala-apa.org/sympa/info/apaforum

Librarians Against Palin!
http://librariansagainstpalin.wordpress.com/