米国出版社協会(AAP)の専門・学術出版部会が,科学・医学論文出版に対するピア・レビューの保護と、政府による学術情報流通に対する干渉のリスクを一般市民に啓蒙するための新団体“PRISM”(Partnership for Research Integrity in Science & Medicine
)の結成を発表しました。
同時に公開されたPRISMのウェブサイトでは、PRISM原則(“PRISM Principles”)が公開されており、そこでは、
・品質保持制度としての査読制度が重要であること
・政府などのコントロールや検閲から出版活動が自由な状態に置かれること、
・研究助成は研究のために利用されることがベストであり、民間出版社の出版インフラを複製にもちいるのではなく、それを活用する方向で利用すべきであること、
・出版社による科学的知識の流通の革新、査読制度への投資、保存技術の研究開発を持続的なビジネスモデルと合理的な著作権保護制度を継続するための前向きな誘因をもたらすために、学協会は持続的なビジネスモデルや合理的な著作権保護制度の確立に最大の役割を果たすべきこと
・自由な市場は出版技術の革新や多様性を生み出すとともに、特定のビジネスモデルに有利に働く政府の命令からは、独立した存在であり続けるべきである。
などを指摘しています。
今後の活動方針として、賛同者によるPRISM原則への署名、サイトへのリンク、連邦議会議員に対するメールなどによるロビー活動を呼びかけています。
New Initiative Preserving Research Integrity to Unite Scholars, Publishers:PRISM Coalition to Inform Public on Risks Government Interference Poses to Science and Medicine
http://www.publishers.org/main/PressCenter/PRISMLaunch.htm
PRISM
http://www.prismcoalition.org/index.htm
Association of American Publishers’ Anti-Open-Access Lobby: PRISM
http://openaccess.eprints.org/index.php?/archives/283-Association-of-American-Publishers-
Anti-Open-Access-Lobby-PRISM.html