先ごろイェール大学が、BioMed Centralへの費用分担中止を発表しましたが、BioMed Centralはブログ“BioMed Central Blog”で、イェール大学の主張に対する反論を掲載しています。
ブログの記事によると、BioMed Centralに寄せられたOA誌の増加によるコストアップのため、分担金の増額がつづいているものの、論文単位で見れば、他の商業出版社の雑誌よりも価格が低廉であると主張しています。また運営費用の問題についても、英ウェルカム財団の調査「オープンアクセス雑誌のインパクト」を引用して、OA誌は商業出版誌ほどのコストを要するとは限らないと述べ、図書館が現在負担している分担金で査読付きOA誌を刊行することが可能なこと、刊行費用は図書館の分担金ばかりでなく、ほかからも資金を調達していることを主張しています。また機関会員の負担金により、著者からの負担金が不要であることにも言及し、OAジャーナルが既存の商業出版誌と「同レベル」で競争できる基盤を、この制度が作り出していることも指摘しています。
Yale and open access publishing – a response from BioMed Central
(BioMed Central Blog 2007年8月7日付け記事より)
http://blogs.openaccesscentral.com/blogs/bmcblog/entry/yale_and_open_access_publishing
参考
イェール大学図書館、BioMed Centralへのメンバーシップを打ち切りへ
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=3935
E196 (No.36) – オープンアクセス雑誌のインパクトと費用分析
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/cae/item.php?itemid=202