Blackwell、Elsevier、Wiley、Taylor & Francis、Sage、Nature publishing、Oxford University Pressなど35の出版社と、8つの出版協会が2007年2月13日、10か条からなる「ブリュッセル宣言(Brussels Declaration)」を発表しました。
この宣言では、STM分野の学術情報の流通に出版社が果たしている役割、質を維持するためにはコストが必要であること、オープンリポジトリによって購読契約が減少することでピアレビューの仕組みが崩壊する恐れがあること、などを主張しています。そして、著者がリポジトリに自分の原稿を公開するのを猶予する期間(embargo)としては、12か月でもまだ短いとしています。
またプレスリリースでは、E611で紹介した欧州委員会(EC)による学術情報への取り組みなどを、明確な理由のない政府からの介入として批判しています。
なおこの宣言に賛同する出版社も、次々と出てきているようです。
Brussels Declaration on STM Publishing
http://www.stm-assoc.org/documents-statements-public-co/2007%20-%2003-12-07%20Brussels%20Declaration.pdf
Publishers Launch Brussels Declaration – International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers
http://www.stm-assoc.org/press-releases/
2007.02%20Brussels%20Declaration%20Press%20Release%20130207.pdf
(※プレスリリース)
Publishers launch Brussels Declaration – STM
http://www.stm-assoc.org/home/publishers-launch-brussels-declaration.html
STM (International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers)
http://www.stm-assoc.org/
02 Mar 2007付けInformation World Reviewの記事
http://www.iwr.co.uk/information-world-review/news/2184595/stm-manifesto-rubbishes-open
参考:
E611 (No.101) – 学術情報のアクセス,提供,保存に関する通知(欧州委員会)
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/cae/item.php?itemid=628