相続税の代わりに「お宝」を公共に(英国)

英国では、相続税を納める代わりに、重要な文化遺産の所有権を放棄し公共の持ち物とする“Acceptance in Lieu”というスキーマがあります。これによって重要な文化遺産の散逸を防ぎ、図書館や博物館など、公共施設のコレクションを充実させるというものですが、このスキーマの2005/2006会計年度の報告書が、博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)から公表されています。

報告書によると、2005/2006会計年度には、モーツァルトの楽譜83点など、評価額合計750万ポンド(約17.4億円)を超える文化遺産が公共の物になったそうです。なお、過去5年間では、1億4,000万ポンド(約326億円)にも達しているとのことです。

ちなみにモーツァルトの楽譜は、オックスフォード大学図書館に置かれることになりました。その他の「お宝」も、英国図書館(BL)を始めとする英国内の図書館・博物館・文書館などに保管されるとのことです。

Acceptance in Lieu Report 2005/06 – MLA
http://www.mla.gov.uk/resources/assets//A/ail_report2006_10062.pdf
Acceptance in Lieu – MLA Programme
http://www.mla.gov.uk/website/programmes/cultural_property/acceptance_in_lieu/00ail/
Mozart scores a hit with heritage
http://www.mla.gov.uk/webdav/harmonise?Page/@id=82&Document/@id=26385