OCLC Research、学術図書館におけるキャパシティ確保の手段としての協働に関する報告書を公開

2022年8月11日、OCLC Researchが、学術図書館におけるキャパシティ確保の手段としての協働に関する報告書“Library Collaboration as a Strategic Choice: Evaluating Options for Acquiring Capacity”を公開したと発表しました。

発表によると、学術図書館が機関横断的な協働に関する戦略的意思決定を支援する、ツール・フレームワークを提供する報告書です。技術の進展、利用者のニーズの変化、財政状況、多様性・公平性・包摂性の重視等により、外部機関との協働の重要性が高まり、関心を持つ機関や検討を行う機関が増えていることが指摘されています。

報告書の中では、キャパシティ確保の方法として、内部の人材育成を行う“Build”、外部機関との協働を行う“Collaborate”、契約に基づき外部機関に委託する“Outsource”、利用者に外部プロバイダーの利用を促す“Refer”を示し、それぞれの特徴と選択する際の考慮点を示しています。また、協力した方が良い場合でも協調的活動が失敗する「集合行為問題」、取引を行う際にかかる「取引コスト」、既存の決定により制約を受ける「経路依存性」等、協働に関する意思決定に役立つ概念の説明が行われています。

Read a new report on strategic library collaboration from OCLC Research(OCLC Research, 2022/8/11)
https://www.oclc.org/research/news/2022/strategic-collaboration-report.html

Library Collaboration as a Strategic Choice: Evaluating Options for Acquiring Capacity(OCLC Research)
https://www.oclc.org/research/publications/2022/strategic-collaboration/strategic-collaboration-report.html
https://www.oclc.org/content/dam/research/publications/2022/strategic-collaboration/oclcresearch-strategic-collaboration-a4.pdf
※2つ目のリンクは報告書本体[PDF:40ページ]です。

参考:
E2329 – 研究支援における社会的相互運用性に関するOCLCの報告書
カレントアウェアネス-E No.403 2020.11.26
https://current.ndl.go.jp/e2329