工学分野の研究者と大学院生の文献検索スキルに関する研究(記事紹介)

2022年7月に刊行された米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセスの査読誌“College & Research Libraries” (C&RL)の第83巻第4号に、“Identifying Scholarly Search Skills Based on Resource and Document Selection Behavior among Researchers and Master’s Students in Engineering”が掲載されています。著者は信州大学の萩原泰子氏、九州大学の石田栄美氏、渡邊由紀子氏、冨浦洋一氏ら4人です。

九州大学及び信州大学に所属する工学分野の研究者44人と大学院生40人から得たアンケート結果から、学術文献の検索においてどのようなリソース(Google Scholar、学術データベース等)が利用されているか、どのような検索結果の要素(タイトルやアブストラクト、発行年等)が利用されているか等を分析しています。

また、調査の結果として、研究者は場面ごとに検索ツールや検索結果の要素を使い分けていた一方、学生にはその能力が欠けていることが分かったことなどが説明されています。

Hagiwara, Yasuko; Ishita, Emi; Watanabe, Yukiko; Tomiura, Yoichi. Identifying Scholarly Search Skills Based on Resource and Document Selection Behavior among Researchers and Master’s Students in Engineering. College & Research Libraries. 2022, 83(4), p. 610-630.
https://doi.org/10.5860/crl.83.4.610

参考:
米国の大学所属者のGoogle Scholarと大学図書館提供検索システムの利用及び認識に関する比較調査(文献紹介)
Posted 2019年9月19日
https://current.ndl.go.jp/node/39069

College & Research Libraries誌が創刊号から全てオンラインで無料利用可能に
Posted 2013年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/23334