英・Jiscによるオープンアクセス出版物のデータ収集について(記事紹介)

2022年7月1日、英・Jiscは“Collecting data on open access publications”という題目のブログ記事を掲載しました。Jiscが出版社と共同で行ったオープンアクセス出版物のデータ収集について報告したものです。

2019年にKnowledge Exchange(KE)が、転換契約に関するモニタリングと評価を行うために行う、論文レベルのメタデータの効率的な照合の困難さや人的負担について実証したことを受けた取組と説明されています。

KEのOAモニタリングに関するワーキンググループが作成したテンプレートに基づいて、31の出版者からデータを入手し、全出版者のデータを包括的かつ比較可能な分析ができるよう、クリーニング、検証、標準化等を行ったと説明しています。また、Crossrefを使用して論文の資金提供者を追加したり、Unpaywallを利用して論文のOAステータスを表示したりすることでデータの質を高めていることなども述べています。

2021年には、転換契約をしている97%の出版者のデータを受け取ったとあります。また、今後、得られたデータセットを利用してコミュニティに貢献するための活動計画を立てていると説明しています。

Collecting data on open access publications(Jisc Research, 2022/7/1)
https://research.jiscinvolve.org/wp/2022/07/01/collecting-data-on-open-access-publications/

参考:
学術雑誌契約のオープンアクセス(OA)要項モニタリングに必要な論文レベルのメタデータのチェックリスト化(文献紹介)
Posted 2019年12月2日
https://current.ndl.go.jp/node/39640

英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結
Posted 2021年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/43817

E2448 – 英・UKRIの新オープンアクセス(OA)ポリシー公開について
カレントアウェアネス-E No.425 2021.11.25
https://current.ndl.go.jp/e2448

CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977