米国連邦通信委員会(FCC)、部族図書館のブロードバンド接続拡大のため米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)と連携

2022年2月2日、米国連邦通信委員会(FCC)が米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)と連携し、部族図書館(Tribal libraries)のブロードバンド接続拡大に取り組むことを発表しました。部族の土地(Tribal Lands)におけるデジタルデバイドへの対処です。

FCCとIMLSは、部族図書館等におけるE-Rateプログラムの周知を高めるために協力するとあります。E-Rateプログラムは、学校や図書館がブロードバンドサービスを安価で受けられるようにするためのユニバーサル・サービス支援として、1996年に創設されました。このプログラムの基金を活用することで、部族コミュニティへのブロードバンド接続を拡大することができます。両機関は連携を開始するにあたり、574の部族長すべてにE-Rateプログラムと、同プログラムへの部族図書館の参加機会に関する情報を提供したとあります。

なお、今回のFCCとIMLSの連携は、E-Rateプログラム規則中の「図書館」の定義に部族図書館を含むことを明確にしたFCC指令(FCC order)が新たに採択されたことにより、開始されることになったものです。

FCC Partners with IMLS to Address Digital Divide on Tribal Lands(FCC,2022/2/2)
https://www.fcc.gov/document/fcc-partners-imls-address-digital-divide-tribal-lands

FCC Partners with IMLS to Address Digital Divide on Tribal Lands(IMLS, 2022/2/2)
https://www.imls.gov/news/fcc-partners-imls-address-digital-divide-tribal-lands

関連:
FCC Connecting Tribal Libraries Through the E-Rate Program(FCC)
https://www.fcc.gov/document/fcc-connecting-tribal-libraries-through-e-rate-program-0
※E-Rateプログラムにおける「図書館」に部族図書館を含めることとしたFCC指令がダウンロードできます。

参考:
米国連邦通信委員会(FCC)、学校や図書館へのE-Rateプログラムを更新へ
Posted 2014年12月15日
https://current.ndl.go.jp/node/27643

米国の公共図書館における“E-rate”の受給率は9割以上:IMLSによる調査より
Posted 2014年4月17日
https://current.ndl.go.jp/node/25951

米国連邦通信委員会(FCC)、米国の学校と図書館のブロードバンド環境の整備を支援するため、20億ドルの追加投資を発表
Posted 2014年2月10日
https://current.ndl.go.jp/node/25461

米国図書館協会会長、米国連邦通信委員会による低所得層向けブロードバンド接続支援プログラムの指定プロバイダー取り消し等を受けて声明を発表
https://current.ndl.go.jp/node/33403
Posted 2017年2月7日

E2431 – コロナ禍における米国の図書館支援政策
No.422 2021.10.14
https://current.ndl.go.jp/e2431

図書館研究シリーズ No.40『米国の図書館事情2007-2006年度』
1.5.2 E-rateの概要と運用の実情 ~公共図書館との関連を中心に~
https://current.ndl.go.jp/node/14438