国際図書館連盟(IFLA)、小島嶼開発途上国のためのSAMOA Pathwayに関するブリーフィングを刊行

2022年1月3日、国際図書館連盟(IFLA)は、国際連合(UN)の小島嶼開発途上国(Small Island Developing States:SIDS)のためのSAMOA Pathway(SIDS Accelerated Modalities of Action (S.A.M.O.A.) Pathway)に関するブリーフィングを刊行したと発表しました。

SAMOA Pathwayは、2014年にサモアで開催されたUNの第3回小島嶼開発途上国国際会議において採択された、SIDSを対象とした取り組みを示す成果文書です。文書中で、SIDSはそのユニークで特殊な脆弱性の観点から、持続可能な開発にとって特別なケースであるとされています。

“Libraries and the UN SAMOA Pathway”と題されたブリーフィングでは、SAMOA Pathwayが、持続可能な開発目標(SDGs)について定めたUNの2030アジェンダ(2030 Agenda for Sustainable Development) の1年前に合意されたものであり、これら2つの文書は各分野でのさまざまな行動を定めており、それらが一体となって、成功した持続可能な開発を支援する可能性を持っている一方で、SAMOA Pathwayは2030アジェンダよりもさらに、パートナーシップの構築に焦点を当てているとしています。

ブリーフィングでは、SAMOA Pathwayには図書館が支援できる分野が多くあるとし、SAMOA Pathwayの背景、論理、図書館に関連する行動、パートナーシップの強調、図書館の役割について示しています。

図書館が支援できる行動としては、フォーマルおよびインフォーマルな学習を強化すること、市民に公共アクセスを提供できるよう図書館自体が接続され、コミュニティーハブとして機能すること、気候変動対策とレジリエンスに関して人々の意識を醸成し、議論に参加するよう促し、対応策を学ぶ場となることなどが挙げられており、図書館が主導的または支援的な役割を担うパートナーになり得るとしています。

IFLA publishes briefing on the UN SAMOA Pathway for small island developing states (IFLA, 2022/1/3)
https://www.ifla.org/news/ifla-publishes-briefing-on-the-un-samoa-pathway-for-small-island-developing-states/

Libraries and the UN SAMOA Pathway(IFLA)
https://repository.ifla.org/handle/123456789/1773

関連:
SIDS ACCELERATED MODALITIES OF ACTION [S.A.M.O.A.] Pathway (SUSTAINABLE DEVELOPMENT KNOWLEDGE PLATFORM)
https://sustainabledevelopment.un.org/samoapathway.html

参考:
E1763 – 国連2030アジェンダと図書館:IFLAのツールキット
カレントアウェアネス-E No.297 2016.02.04
https://current.ndl.go.jp/e1763