英国王立化学会(RSC)は、2021年11月17日付けのTwitterにおいて、同日「学術出版における包摂性・多様性のための最低基準」(Minimum standards for inclusion and diversity for scholarly publishing)を公開したことを発表しています。
RSCは、2020年6月に「出版における包摂性・多様性に関する行動のための共同コミットメント」を発表しており、同コミットメントに賛同する複数の学術出版社らとともにワーキンググループを結成し、様々な取組を進めてきました。2021年12月7日現在、出版社47社がこの取組に協力しています。
今回公開された基準もこのワーキンググループによる成果であり、その内容として次の6項目が示されています。
1.包摂性・多様性が出版活動と戦略計画に組み込まれるようにする。
2.性別、地域、民族性データといった、著者、編集者、査読者の人口統計学的な多様性(demographic diversity)を理解するよう努める。
3.低代表コミュニティ(under-represented communities)に属する著者、編集者、査読者が経験する出版上の障壁を認識し、それに対処するために行動する。
4.著者、編集者、査読者、スタッフが包摂性・多様性に対して負う具体的な責任を定義し、伝える。
5.可能な限り幅広い人材を確保するために、編集者や編集委員会の指名プロセスを見直し、必要に応じて修正する。
6.学術出版における包摂性・多様性に関する進捗状況を、少なくとも年一回公表する。
@RoySocChem(Twitter, 2021/11/17)
https://twitter.com/RoySocChem/status/1460625361348222979
Minimum standards for inclusion and diversity for scholarly publishing(RSC)
https://www.rsc.org/new-perspectives/talent/minimum-standards-for-inclusion-and-diversity-for-scholarly-publishing/
関連:
Joint commitment for action on inclusion and diversity in publishing(RSC)
https://www.rsc.org/new-perspectives/talent/joint-commitment-for-action-inclusion-and-diversity-in-publishing/
※「出版における包摂性・多様性に関する行動のための共同コミットメント」のウェブページです。
参考:
E2405 – 学術論文における著者名表記の変更:主に性自認をめぐって
カレントアウェアネス-E No.416 2021.07.08
https://current.ndl.go.jp/e2405