Nature誌のオンライン版に、2021年10月1日付けで記事“China’s clampdown on fake-paper factories picks up speed”が掲載されています。中国の助成機関が、論文代筆業者(paper mills)を利用する研究者へ罰則を科していることなどが述べられています。
中国の2つの主要な助成機関が実施した不正行為の調査により、論文代筆業者を使用したことで少なくとも23人の科学者が処罰を受けました。その結果、中国科学技術部は、研究公正の侵害を取り締まることを約束し、2018年に不正行為に取り組むための抜本的改革を発表しました。2020年に新しい研究不正ポリシーが発表され、論文代筆業者について初めて明示的に言及されました。
記事によれば、論文代筆業者を使用した研究者への制裁は、警告、研究助成申請の最大7年間の停止、最大6年間の昇進の停止など多岐にわたります。一方、研究者らの意見として、これは大きな前進としつつも、論文代筆業者が制裁を免れているように見えることへの疑問や、中国の研究者が直面している論文執筆のプレッシャーを軽減するために、より柔軟で多様な研究評価スキームの開発の必要性等を指摘する声が掲載されています。特に、病院での研究評価スキームを見直す必要があると指摘しています。
China’s clampdown on fake-paper factories picks up speed(Nature, 2021/10/1)
https://doi.org/10.1038/d41586-021-02587-3
参考:
「論文工場」との戦いをめぐる近年の動向(記事紹介)
Posted 2021年4月16日
https://current.ndl.go.jp/node/43824