英国図書館らによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”(記事紹介)

英国図書館(BL)は、2021年9月23日付けのブログ記事において、BLらによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”の成果を紹介しています。BLと英国国立公文書のスタッフらは実際にプログラムのテスト受講を行っており、その報告書を公開していること等が述べられています。

“Computing for Cultural Heritage”の紹介ページによれば、同プロジェクトは、文化遺産の専門家に役立つコンピューター・スキルを養うための大学院履修証明プログラム(PGCert)の開発を行うものです。英国のコンソーシアム“Institute of Coding”から約22万ポンドの助成を受けており、2019年から2021年2月にかけて、BL、英国国立公文書館、英・ロンドン大学バークベック校(主に夜間に開講)が協同で実施しました。プロジェクト実施の背景として、次のような点を挙げています。

・文化遺産の専門家に求められるデジタル面での能力が高度化している。在職中の専門家にとってもデジタル事業への関わりが増えている一方で、コンピューター・スキル面での基礎が十分であるとは言えない。
・BLの全てのスタッフにとって、大規模なデジタルコレクションの取り扱いや革新的なデジタルプロジェクトの開発に関する認識を深めることが重要になっている。そのためには、プログラミング、データサイエンス、ビッグデータ、機械学習、テキストマイニング、データアナリティクス、クラウドコンピューティング、ビジュアライゼーションなどのアプローチを理解する必要がある。

同ページでは、ロンドン大学バークベック校が本プロジェクトを踏まえたPGCertのコース“Applied Data Science”を2021年から提供していることも紹介しています。

Computing for Cultural Heritage: Trial Outcomes and Final Report(Digital scholarship blog, 2021/9/23)
https://blogs.bl.uk/digital-scholarship/2021/09/computing-for-cultural-heritage-trial-outcomes-and-final-report.html

Computing for Cultural Heritage(BL)
https://www.bl.uk/projects/computingculturalheritage