英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)、革新的な技術を用いて英国の文化遺産コレクションへのオンラインアクセス方法を変革する5つのディスカバリープロジェクトへの1,450万ポンドの助成を発表

2021年9月21日、英国研究イノベーション機構(UKRI)を構成する評議会の1つである英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)が、革新的な技術を用いて英国の文化遺産コレクションへのオンラインアクセス方法を変革する5つのディスカバリープロジェクトに5年間で1,450万ポンドの助成を行うと発表しました。AHRCが主導する国家プログラム“Towards a National Collection” に基づくものです。

採択された5つのプロジェクトは以下の通りです。

・The congruence engine: digital tools for new collections-based industrial histories
英国の産業史に関心のある人が、前例のない範囲で国内のコレクションから資料を結び付けて伝えたいストーリーを伝えるためのデジタルツールボックスのプロトタイプを構築するもの。

・Our heritage, our stories: linking and searching community-generated digital content to develop the people’s national collection
既存のコミュニティ生成デジタルコンテンツ (CGDC)の発見・評価のためのAI基盤の自動化ツールを共同設計・構築し、CGDCの拡張可能なリンクや発見可能性の障壁の解消や開発を行うもの。

・Transforming collections: reimagining art, nation and heritage
コレクションの横断検索を可能にし、バイアスのパターンを明確にし、隠れたつながりを発見し、芸術・国家・遺産の新たな解釈の枠組みや「潜在的な歴史」を切り開くことを目的としたもの。

・The Sloane lab: looking back to build future shared collections
ロンドン自然史博物館・英国図書館・大英博物館といった公的機関に所蔵されているハンス・スローン卿のコレクションと目録を再構築することを目的に、コレクションに関する検索・調査・課題への批判的な関与の機会を研究者・キュレーター・一般市民に無償で提供するオンライン上のデジタルラボ“Sloane lab”を構築するもの。

・Unpath’d waters: marine and maritime collections in the UK
分散所蔵されアクセスできないものもある英国(イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランド)の海洋遺産のデータを再生成し、世界からアクセスできるようにするもの。

Artificial intelligence supports culture and heritage exploration(UKRI,2021/9/21)
https://www.ukri.org/news/artificial-intelligence-supports-culture-and-heritage-exploration/

参考:
E2345 – 英国の国家プログラム“Towards a National Collection”
カレントアウェアネス-E No.406 2021.01.14
https://current.ndl.go.jp/e2345