英・UKRI、新オープンアクセス(OA)方針を公開:対象を単行書等に拡大

2021年8月6日、英国の研究助成機関UK Research and Innovation(UKRI)が、新たなオープンアクセス(OA)方針を公開しました。同方針は、2020年2月13日に草案が公開され、2020年4月17日までコメント・意見募集が行われていました。

UKRIの助成を受けた研究成果のうち、2022年4月以降に投稿された査読付き論文は、出版者版を雑誌・出版プラットフォームで、または著者最終稿をリポジトリで即時に公開することを求めています。2024年1月1日以降に出版された単行書や図書の章等については、出版後12か月以内に、出版者版や著者最終稿を出版者のウェブサイト・プラットフォーム・リポジトリ等で公開することを求めています。ライセンスについては、CC BYを基本としつつ、CC BY-NDも認めるとしています。

発表の中で、新方針の実装のために、UKRIは、OAジャーナル契約の支援を行うことや、OAに関する資金援助を増やすこと、出版文化の変革の支援活動を続けること等を挙げています。また、新方針と併せて、草案に寄せられた意見・コメントを踏まえた変更点の説明文書も公開されています。

2021年8月6日付で公開されたnatureの記事では、同方針を支持する意見もある一方で、資金援助の要件等に関する懸念を表明する意見もあると述べています。

UKRI announces new Open Access Policy(UKRI, 2021/8/6)
https://www.ukri.org/news/ukri-announces-new-open-access-policy/

UKRI Open Access Policy [PDF:14ページ]
https://www.ukri.org/wp-content/uploads/2021/08/UKRI-060821-UKRIOpenAccessPolicy-FINAL.pdf

UKRI Open Access Policy – explanation of policy changes [PDF:9ページ]
https://www.ukri.org/wp-content/uploads/2021/08/UKRI-060821-UKRIOpenAccessPolicyExplanationOfChanges-FINAL.pdf

Major UK science funder unveils strict open-access policy(nature, 2021/8/6)
https://doi.org/10.1038/d41586-021-02148-8

関連:
Taylor & Francis’ response to the UKRI Policy Announcement(Taylor & Francis, 2021/8/6)
https://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/taylor-francis-response-to-the-ukri-policy-announcement/

Statement of support for UKRI’s new open access policy announcement(Frontiers, 2021/8/9)
https://blog.frontiersin.org/2021/08/09/statement-in-support-of-ukris-new-open-access-policy/

参考:
英UKRI、新たなオープンアクセス方針の草案を公開 オープンアクセス化の対象をモノグラフ等の図書に拡大
Posted 2020年2月17日
https://current.ndl.go.jp/node/40257

英国出版協会、UKRIの新オープンアクセス(OA)方針案が英国経済に与える影響を評価した報告書を公開
Posted 2021年2月24日
https://current.ndl.go.jp/node/43356