Internet Archiveの25周年を迎えての振り返り(記事紹介)

米国の非営利団体Internet Archiveが25周年を迎えたことを受けて、2021年7月21日付で創設者のケール(Brewster Kahle)氏によるブログ記事が公開されています。ブログ記事では、Internet Archiveができるまで、非営利であること、振り返りと今後の展望について述べられています。

Internet Archiveができるまでとして、ケール氏が若い頃グーテンベルクの発明から前進した新しいメディアをつくることを支援したいと思っていたことなどが述べられています。リッチメディアの大規模コレクションのために機能するコンピュータの構築、ネットワークの発展などがあり、「すべての図書館(library of everything)」が構築されました。

Internet Archiveが非営利であることの理由として、Internet Archiveがすべての人のものを含んでいることが挙げられています。また、Internet Archiveの目標として、「新しいグローバルマインドをつくるために活用できるウェブの永続的なメモリを構築すること」、「経時的なデータから新しい洞察を与えるパターンを発見すること」、「歴史的資料であるだけではなく、インターネットの生きている一部分であること」が挙げられています。

振り返りでは、初期のウェブではより民主的なシステムを機能させようとしている人々がいた一方、詐欺、荒らしなど人類の他の一面も観察されたことが指摘されており、インターネットとWorld Wide Webは「人類そのもの」であることが述べられています。

今後の展望として、全ての知識へのユニバーサルアクセスやさらに多くの著作の永久保存などが挙げられています。

Reflections as the Internet Archive turns 25(Internet Archive Blogs, 2021/7/21)
https://blog.archive.org/2021/07/21/reflections-as-the-internet-archive-turns-25/

参考:
デジタル図書館はどのように学界を変えるのか?−Internet Archive代表が語る将来像
Posted 2007年3月30日
https://current.ndl.go.jp/node/5633

E1832- Internet Archiveによるウェブアーカイブの現状・課題等調査
カレントアウェアネス-E No.309 2016.08.18
https://current.ndl.go.jp/e1832