Library Journal誌の2021年6月1日付け記事で、米・メリーランド州の法案(House Bill 518 /(SB432))が6月1日に成立し、2022年1月から施行されることが紹介されています。
同法は、一般向けに電子書籍(electronic literary product)のライセンス提供を行う出版社に対し、同州の図書館が利用者に当該電子書籍へのアクセスを提供できるよう、「合理的な条件」(reasonable terms)下での図書館へのライセンス提供を求める内容となっています。記事では、同様の法案は米・ニューヨーク州やロードアイランド州でも提出されているものの、州法として成立したのは初めてのことと述べています。
記事では、米国出版協会(AAP)が2021年3月に、同法案が米連邦著作権法や合衆国憲法に抵触する可能性に言及したことに触れ、今後法廷での課題に直面する可能性があることも紹介しています。
Maryland Passes Law Requiring Publishers to License Ebooks to Libraries Under “Reasonable Terms”(Library Journal, 2021/6/1)
https://www.libraryjournal.com/?detailStory=maryland-passes-law-requiring-publishers-to-license-ebooks-to-libraries-under-reasonable-terms
参考:
米国における電子書籍貸出の最新動向:米・メリーランド州の法案等(記事紹介)
Posted 2021年4月9日
https://current.ndl.go.jp/node/43775
CA1978 – 動向レビュー:米国での電子書籍貸出をめぐる議論 / 井上靖代
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1978
CA1979 – 動向レビュー:欧州の図書館と電子書籍-従来の公共図書館よ、安らかに眠れ? / ベンジャミン・ワイト,井上靖代(翻訳)
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1979