Project MUSE、オープンアクセス購読モデルの研究のための助成をメロン財団より獲得

2021年5月24日、人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEは、アンドリュー W.メロン財団から75,000米ドルの助成を獲得したことを発表しました。この助成プロジェクトのタイトルは“MUSE Open: S2O”であり、人文学および社会学におけるオープンジャーナル出版への財政的に持続可能なアプローチの開発に焦点を当てます。

オープンアクセス出版は多くの場合、論文掲載料(Article Processing Charge; APC)に依存しています。資金が不足している人文社会学分野ではうまく機能しておらず、著者の持続可能性と公平性に懸念が生じています。著者支払いモデルに代わって、Subscribe to Open(S2O)は現在の購読者にインセンティブを与えることで、オープンアクセス出版を支援します。このプロジェクトは、図書館、出版者、社会、研究者、助成機関が受容できるジャーナルの持続可能で公平なモデルを設計することを目的として挙げています。

Project MUSEは、出版社と図書館のコミュニティの結節点であることから、この研究に非常に適していると述べています。計画期間の研究の結果によっては、このプロジェクトは人文社会学のジャーナルのオープンアクセス出版を大幅に前進させるProject MUSEのコミュニティベースのイニシアティブに発展する可能性があることが指摘されています。

Project MUSE receives Mellon Foundation grant to study “Subscribe to Open” model for OA journals(Project MUSE, 2021/5/24)
https://about.muse.jhu.edu/news/mellon-grant-S2O/

参考:
「プランS」の発効と研究成果物のオープンアクセス(OA)化を巡る最新の論点(記事紹介)
Posted 2021年1月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42985

CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向
カレントアウェアネス No.344 2020.06.20
https://current.ndl.go.jp/ca1977

Springer Nature社、著者向けアンケート・機関へのインタビューに基づいた論文処理費用(APC)の財源に関するホワイトペーパーを公開
Posted 2020年4月7日
https://current.ndl.go.jp/node/40725