米国デジタル公共図書館(DPLA)、Amazon Publishingとの契約締結を発表:同社の電子書籍・オーディオブックが図書館で提供可能に

2021年5月18日、米国デジタル公共図書館(DPLA)は、Amazon Publishingとの契約締結を発表しました。図書館のための電子書籍市場“DPLA Exchange”を通じて、Amazon Publishingの電子書籍・オーディオブック(約1万点)全てを図書館で提供可能とする契約です。

Amazon Publishingのタイトルが図書館向けに提供されるのは、今回が初めてです。2021年夏に4種類のライセンスモデルの下で提供が開始され、2021年末には全タイトルの提供が行われる予定です。図書館利用者は、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が開発に携わった電子書籍アプリ“SimplyE”を通じ、Amazon Publishingのタイトルにアクセスできるようになります。

図書館向けの電子書籍貸出モデルに関し、より多くの選択肢・柔軟性の確保のためにDPLAは複数の出版社と協力しており、Amazon Publishingもその中の一社です。DPLAの発表では、協力関係にある他の出版社と同様に、Amazon側では利用者データを受け取らない仕組みになっていると述べています。

DPLA signs agreement with Amazon Publishing to make their ebooks available to U.S. libraries(DPLA, 2021/5/18)
https://dp.la/news/dpla-signs-agreement-with-amazon-publishing-to-make-their-ebooks-available-to-u-s-libraries

参考:
米国デジタル公共図書館(DPLA)、図書館のための電子書籍市場“DPLA Exchange”をリニューアル:オーディオブックの提供も開始
Posted 2021年1月27日
https://current.ndl.go.jp/node/43093

米国における電子書籍貸出の最新動向:米・メリーランド州の法案等(記事紹介)
Posted 2021年4月9日
https://current.ndl.go.jp/node/43775

E2188 – 米国デジタル公共図書館(DPLA)戦略計画2019-2022
カレントアウェアネス-E No.378 2019.10.24
https://current.ndl.go.jp/e2188
※「図書館が利用者に電子書籍,電子コンテンツを提供しやすいような基盤を作ること」があげられています。

CA1978 – 動向レビュー:米国での電子書籍貸出をめぐる議論 / 井上靖代
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1978