米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、ラテンアメリカやカリブ海地域の文書館・図書館等との連携に関するシンポジウムの内容と推奨事項をまとめた報告書を公開

2021年2月16日、米・図書館情報資源振興財団(CLIR)が、ラテンアメリカやカリブ海地域の文書館・図書館等との連携に関するシンポジウム“Capacity Assessment of Latin American and Caribbean Partners: A Symposium about Open-Access, Technological Needs, and Institutional Sustainability”の内容と、推奨事項をまとめた報告書を公開したことを発表しました。

同シンポジウムは、2020年4月16日と4月17日に開催され、ラテンアメリカやカリブ海地域の機関の事例を中心に情報共有を行い、共通のニーズを特定するためのフォーラムが行われました。

報告書には、シンポジウムの内容、開催までの経緯、参加者の反応等がまとめられており、英語、フランス語、ハイチ語、ポルトガル語、スペイン語で公開されています。また、ラテンアメリカとカリブ海地域の機関、米国を拠点とする図書館・文書館・文化遺産関係機関、助成機関について、以下をはじめとした推奨事項が記載されています。

●ラテンアメリカとカリブ海地域の機関
・異なる機関間で、学者や連携相手になる可能性がある人と連絡を取る。

・学者や、学者の情報探索行動、デジタル化資料の利用方法を把握する。

・プロジェクトが構想段階だったとしても、過去の助成プロジェクトを調べ、助成機関に問い合わせる。

・ラテンアメリカやカリブ海地域の他の機関が利用できるよう、オンラインのプラットフォームの構築を検討する。

●米国を拠点とする図書館・文書館・文化遺産関係機関
・文化機関、教職員、図書館員、アーキビストとのつながりを強化する。

・連携相手に求める事務作業や管理業務を簡素化する。

・デジタル化等に関する研修を実施する際には、連携相手のコミュニティの言語の話者であり、技術や研修に詳しいトレーナーを関わらせる。

●助成機関
・過去の助成対象者と現在の助成対象者が情報を共有できるようにする。

・翻訳作業に資金を割り当て、申請書類を多言語で提供する。

・現地の状況、多様な文脈に通じている人物や、グローバル・サウスにおける共同研究プロジェクトの経験がある人物を混在させ、査読者の多様化を行う。

CLIR Publishes Symposium Report and Recommendations for Working with Archives and Libraries in Latin America and the Caribbean(CLIR)
https://www.clir.org/2021/02/clir-publishes-symposium-report-and-recommendations/

Report of Symposium and Recommendations [PDF:20ページ]
https://www.clir.org/wp-content/uploads/sites/6/2021/02/Symposium-Report-and-Recommendations_English.pdf

参考:
米・歴史的黒人大学図書館連盟(HBCU Library Alliance)と米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、歴史的黒人大学の図書館が所蔵するアーカイブ資料のアクセス促進を目的とした共同プロジェクトを実施
Posted 2020年12月9日
https://current.ndl.go.jp/node/42722