米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、公共図書館における物理的コレクション・電子的コレクションの利用やコストに係る動向の調査概要を公表

2021年2月17日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)が、研究概要“The Use and Cost of Public Library Materials:Trends Before the COVID-19 Pandemic”を公開しています。

公共図書館における、物理的なコレクションおよび電子的なコレクション(電子書籍・オンラインデータベース等)に係るコストや貸出数に関するコロナ禍以前の動向を調査したもので、地域間や人口規模での比較も行われています。

得られた知見として、2014年度から2018年度にかけて、

・電子的なコレクションを提供する館が80%から90%に増加
・1人あたりの支出額の中央値において、物理的なコレクションは6%減少したのに対し、電子的なコレクションでは31%増加
・貸出におけるコストの中央値では、物理的な資料は11%増加した一方、電子的な資料は26%減少

といった点があげられています。また、2018年度において、地方や奉仕対象人口が少ない図書館は、地方以外や奉仕対象人口が多い図書館に比べて、電子的な貸出による支出が少ないと指摘しています。

Ninety Percent of Public Libraries Offer Electronic Collection Materials(IMLS,2021/2/17)
https://www.imls.gov/news/ninety-percent-public-libraries-offer-electronic-collection-materials
https://www.imls.gov/sites/default/files/2021-02/pls_fy18_research_brief.pdf
※2つ目のリンクが調査概要です[PDF:9ページ]

参考:
米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版部門、学術図書館の電子書籍コレクション構築の傾向・管理・購入パターンに関するホワイトペーパーを公開
Posted 2020年9月28日
https://current.ndl.go.jp/node/42095

E2279 – オーストラリアの公共図書館は電子書籍をどう選んでいるか
カレントアウェアネス-E No.394 2020.07.09
https://current.ndl.go.jp/e2279