米・イェール大学バス図書館、凍結したスプリンクラー配管の破裂による大規模な浸水被害のため休館中:蔵書の水損被害は最小限

2021年1月29日の夜、米国のイェール大学バス図書館(Bass Library)で、館内の凍結したスプリンクラー配管の破裂により、大規模な浸水被害が発生しました。

イェール大学図書館は、1月31日付のお知らせにおいて、館内の清掃と修繕が完了するまでバス図書館が休館すること、設備工事業者が週末に水の汲み上げと送風機・除湿機で館内を乾燥させる措置を行ったことなどを伝えています。

2月9日付のお知らせでは、清掃・修繕のための休館は少なくとも2月末まで継続すること、同館の蔵書は大学内の別の図書館で利用するか、自宅等への配送を依頼可能であることを発表しています。また、事故の詳細な状況として、1月29日の閉館直後に上層階の天井で配管が破裂して漏水が発生し、階段と電気ケーブル・インターネットケーブルの通った導管を伝って下層階にも浸水が広がったこと、傷んだ壁板・天井板等の交換、カーペット・石細工等の洗浄を進めていることなどを併せて発表しています。

なお、同館の6万5,000冊以上の蔵書については、外部の専門家に約730冊のドライクリーニングと状態の評価を依頼中であるものの、貴重資料や入手困難な資料には被害が及んでいない、と説明しています。

Burst pipe closes Bass Library for cleaning and repairs(Yale University Library News,2021/1/31)
https://web.library.yale.edu/news/2021/01/burst-pipe-closes-bass-library-cleaning-and-repairs

Bass Library closed through February due to flood damage(Yale University Library News,2021/2/9)
https://web.library.yale.edu/news/2021/02/bass-library-closed-through-february-due-flood-damage

参考:
京都大学図書館機構、2004年に学内図書館で発生した浸水事故とその復旧を特集した図書館報を公開
Posted 2012年2月23日
https://current.ndl.go.jp/node/20242

フランス国立図書館、水漏れで所蔵資料約12,000点にダメージ
Posted 2014年1月31日
https://current.ndl.go.jp/node/25389

CA1791 – 研究文献レビュー:被災した紙資料の救出・修復 / 久永茂人
カレントアウェアネス No.315 2013年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1791

CA1891 – 水損資料を救うために / 正保五月
カレントアウェアネス No.331 2017年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1891

CA1926 – 資料を守り、救い、そして残すために―東京都立図書館・資料保存の取組― / 眞野節雄
カレントアウェアネス No.336 2018年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1926