中国の広東省では、都市部と農村部との経済格差が激しく、農村部では20年間で1冊の本も買えなかった図書館もありました。このような状況を改善すべく、広東省立中山図書館では、2003年11月から「移動図書館」協力ネットワークを開始し、成果を挙げています。
この「移動図書館」は、単に農村に本を寄贈したり、ブックモービルや船で本を運んだりするのではなく、「蔵書を移動させる」物流を基盤とした図書館です。未発達地域に「移動図書館」分館を建設し、その分館のために広東省立中山図書館が1万2千冊の本を購入します。各分館は半年ごとに互いに蔵書を交換し、利用者に対し新しい資料を提供できるようにしています。また各分館にはコンピュータが設置され、広東省立中山図書館が提供する80万冊の電子本、2千万件の雑誌論文、数十万件の学位論文などを無料で見ることができるようになっています。2006年7月25日現在、「移動図書館」分館は31館まで増えています。
広東:「移動図書館」によって農民が本を見られるように – 中国国家図書館
http://www.nlc.gov.cn/GB/channel55/58/200607/17/463.html