米国図書館協会(ALA)、地方の特にヒスパニック・ラテン系の住民にSTEM分野の学習プログラムを提供するプロジェクトへの参加館を発表

2020年12月14日、米国図書館協会(ALA)は、“STAR Net STEAM Equity Project”に参加する12の地方の公共図書館の決定を発表しています。

同プロジェクトには、ALAのほか、宇宙科学研究所のNational Center for Interactive Learning、Twin Cities PBS (TPT)、Institute for Learning Innovation、Education Development Centerが参加しており、米国科学財団(NSF)の助成を受けて、都心部の科学館等へのアクセスが容易ではない地方の小規模の図書館において、特にヒスパニック・ラテン系の住民に、文化的に対応した男女平等のSTEM分野の学習(プログラム・展示)を提供するものです。

今後米国においてはSETM分野の技能が重要となるものの、同国で最大のマイノリティグループで、また、地方での人口が急速に拡大しているヒスパニック・ラテン系の住民の科学系・工学系の学士号取得者の割合や、STEM分野での労働者の割合が少ないことを受け、次世代のヒスパニック・ラテン系の住民がSTEM分野のキャリアに向けての準備ができるようにすることが目的です。

12館は審査を経て選ばれており、各館とも、人口が2万5,000人以下でヒスパニック・ラテン系の人口が地方の全国平均の2倍以上の地域から選ばれています。各館では、研修への参加・地域連携支援・STEM分野の学習教材購入のため4年間で1万5,000ドルの助成をうけることができるほか、STEM分野の巡回展を開催し、展示関連のプログラムやアウトリーチキットを作成することになります。

12 rural public libraries selected to receive funding to offer bilingual exhibitions and STEAM programming (ALA,2020/12/14)
http://www.ala.org/news/member-news/2020/12/12-rural-public-libraries-selected-receive-funding-offer-bilingual-exhibitions

STAR Net STEAM Equity Project: Enhancing Learning Opportunities in Libraries of Rural Communities(ALA)
http://www.ala.org/tools/programming/steamequity

参考:
E2172 – テクノロジー導入に伴う若者と図書館の関係構築<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.375 2019.08.29
https://current.ndl.go.jp/e2172

シカゴ公共図書館(CPL)、大手電力・ガス会社のエクセロン社から250万ドルの助成金を得てSTEM分野の“early learning space”を設置
Posted 2015年8月3日
https://current.ndl.go.jp/node/29066