米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、2020年の年次会計報告書を公開:新型コロナウイルス感染症対策を目的とした合計約4,500万ドルの国内機関支援等の事業を報告

2020年11月16日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は2020年の年次会計報告書を公開したことを発表しました。

同報告書は、米国行政管理予算局(Office of Management and Budget)の要請に応じて作成された、2019年10月1日から2020年9月30日までの2020会計年度におけるIMLSの財政状況を報告したものです。2020会計年度におけるIMLSの主要な事業として以下の4点が報告されています。

・新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、経済対策法「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES Act)」に基づき、59の州図書館行政機関に対して合計約3,000万ドルの支援を実施した。また、博物館・図書館・先住民団体等に対して、医療上の緊急事態対応のため、同法の助成金から合計約1,500万ドルの支援を実施した。

・博物館や図書館の感染症対策支援のため、柔軟な運用の可能な助成金制度を採用した。

・OCLC、バテル記念研究所との共同事業REALM Project実施のため200万ドルを調達した。また、同事業に対して、米国議会図書館(LC)、アンドリュー W.メロン財団、ニューヨーク・カーネギー財団からの支援を獲得した。

・アフリカ系米国人の歴史・文化事業支援のための助成金プログラムには過去最高件数の申請があり、承認された助成金のうち36%が歴史的黒人大学(Historically Black Colleges and Universities:HBCU)の申請であった。

IMLS Releases FY 2020 Annual Financial Report(IMLS,2020/11/16)
https://www.imls.gov/news/imls-releases-fy-2020-annual-financial-report

2020 Annual Financial Report(IMLS)
https://www.imls.gov/publications/2020-annual-financial-report

Annual Financial Report : Fiscal Year 2020 [PDF:70ページ](IMLS)
https://www.imls.gov/sites/default/files//publications/documents/2020afr.pdf

参考:
米国連邦議会に図書館安定化基金法案が提出される:20億ドルの基金による図書館支援を意図
Posted 2020年7月9日
https://current.ndl.go.jp/node/41471

REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビューを公開
Posted 2020年6月10日
https://current.ndl.go.jp/node/41177

アンドリュー W.メロン財団、REALM Projectに取り組む米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)支援のため150万ドルの助成を実施
Posted 2020年7月6日
https://current.ndl.go.jp/node/41435

全米人文学基金(NEH)、米国の新型コロナウイルス感染症に関する経済対策法“CARES Act”に基づく総額4,030万ドルの助成金により国内300以上の文化機関への支援を実施
Posted 2020年6月26日
https://current.ndl.go.jp/node/41358

Internet Archive、博物館・図書館サービス機構(IMLS)からの追加の助成金を得て、地域の歴史のウェブアーカイブ構築のための公共図書館を対象とした継続教育プログラム“Community Webs”を継続
Posted 2020年3月11日
https://current.ndl.go.jp/node/40460