SPARC Europe、出版社の著作権・ライセンスに関するポリシーを調査・分析したレポートを公開

2020年9月30日、SPARC Europeは、出版社の著作権・ライセンスに関するポリシーを調査・分析したレポート“Open Access: An Analysis of Publisher Copyright and Licensing Policies in Europe, 2020”の公開を発表しました。

近年におけるオープンアクセス(OA)ポリシー策定・推進をめぐる活動の進展を背景として、出版社の著作権・ライセンスに関するポリシーがどの程度OAに向けた変革を支援しているかに焦点を当てたレポートです。

二つのアプローチによる調査が行われており、一つは大手学術誌出版社10社を対象としたウェブサイト上の情報及び各社への問合せによる調査、もう一つはDOAJ(Directory of Open Access Journals)に収録された欧州のOAジャーナルを対象とした調査です。学術誌における著作権・出版権の扱い、セルフアーカイブされた論文へのクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付与の許諾状況等が調査の対象となっています。Plan Sへの準拠状況も分析されており、著作権・ライセンス面において、出版社のポリシーの多くがPlan Sと一致していないことを報告しています。

これらの調査を踏まえて、出版社、研究助成機関、研究機関(大学及び大学図書館を含む)、著者のそれぞれを対象とした推奨事項を示しています。

New in-depth OA look at copyright and licensing practices among journal publishers(SPARC Europe, 2020/9/30)
https://sparceurope.org/oacopyrightlook2020/

Open Access: An Analysis of Publisher Copyright and Licensing Policies in Europe, 2020(Zenodo)
https://doi.org/10.5281/zenodo.4046623

参考:
cOAlition S、研究者の知的所有権を保護し不当なエンバーゴを抑止するための「権利保持戦略」を策定・公表
Posted 2020年7月16日
https://current.ndl.go.jp/node/41517