慶應義塾大学三田メディアセンター、第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」で『論語』の伝世最古の写本『論語疏』を初公開

慶應義塾大学の2020年9月10日付プレスリリースで、同大学三田メディアセンター(慶應義塾図書館)が、10月7日から13日まで丸善・丸の内本店(東京都千代田区)で開催される第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」で、『論語』の伝世最古の写本とされる同館所蔵の『論語疏』を初公開することを発表しました。

プレスリリースによると、同館が公開する『論語疏』は、正式には『論語義疏』と称される中国六朝時代に成立した『論語』の注釈書であり、同大学の研究グループの分析によって、日本国外で写された『論語』の伝世最古写本であることが推定されています。また、古代の藤原氏印が見られ、江戸時代には『好古雑記』に壬生家の所蔵に関する記載が確認できるなど、平安時代以前に日本にもたらされて以降、長く伝来してきたことが紹介されています。同書は幕末以降、所在不明となっていましたが、近年発見され同館が所蔵することになりました。

慶應義塾図書館貴重書展示会は、同館が丸善株式会社(現・丸善雄松堂株式会社)の協賛のもと、1985年以来、丸善店舗ギャラリーを会場に、同館の所蔵する貴重書・稀覯書を学外にも広く周知する機会として開催されています。第32回の「古代中世 日本人の読書」では、同館所蔵の漢籍コレクションの展示が行われ、『論語疏』は展示会の中心となる資料として初公開されます。

慶應義塾大学三田メディアセンター(慶應義塾図書館)が『論語』の伝世最古の写本を公開(慶応義塾大学,2020/9/10)
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2020/9/10/28-74954/
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/9/10/200910-1.pdf
※2つ目のリンクはプレスリリースの全文です。[PDF:1.6MB]

関連:
慶應義塾図書館 貴重書展示会(慶應義塾大学三田メディアセンター)
https://libguides.lib.keio.ac.jp/mit_annual_exhibition

参考:
E2093 – 慶應義塾大学における「貴重書活用授業」の取り組み
カレントアウェアネス-E No.361 2019.01.17
https://current.ndl.go.jp/e2093

慶應義塾図書館、第27回貴重書展示会「活字文化の真髄-日本の古活字版と西洋初期印刷本-」を開催(10/7-13)
Posted 2015年9月16日
https://current.ndl.go.jp/node/29451

慶應義塾図書館、グーテンベルク聖書原本を4日間限定で展示
Posted 2019年12月18日
https://current.ndl.go.jp/node/39779