米国図書館協会(ALA)によるアドヴォカシーのためのイニシアチブ“ilovelibraries”の2020年8月24日付の記事で、新型コロナウイルス感染症拡大下の図書館ネコ(Library Cat)の様子が紹介されています。
同記事は米国・アイルランドの図書館に住み着いている4匹の図書館ネコを取り上げて、新型コロナウイルス感染症の拡大下にこれらのネコ達のライフスタイルがどのように変化したのかを紹介するものです。
米テキサス州ホワイトセトルメント公共図書館の図書館ネコBrowserについては、同館スタッフのコメントとして、感染症に伴う閉館により人恋しくなったBrowserが、常に人の近くにいたがるようになり、スタッフの膝の上やスタッフが事務スペース内で使う端末のキーボードの上で寝そべる姿をよく見かけることなどのエピソードが紹介されています。
米ユタ州グランド郡公共図書館のCosmoは、2018年に同館のキッズルームへ住み着いて以来、図書館のニュースレターで毎月紹介され、地元紙に週に1回のコーナーを持つようになるなど同館のマスコットとして愛されている図書館ネコです。同館が対面サービスを再開するにあたって、マスク着用の義務等の利用者への周知について、Cosmoの健康を気遣うようにお願いしたことで大きな効果が上がったエピソードなどが紹介されています。
アイルランド・メイヌース大学(Maynooth University)図書館の“MU Library Cat”は、同館の建物の傍にしばしば現れるようになったため、同館スタッフにより“MU Library Cat”が快適に過ごすための小屋が用意され、独自のTwitterアカウントを持つようになるなど、同館の非公式マスコットキャラクターとなった図書館ネコです。感染症の最中でも、Twitterアカウントで大学コミュニティ向けにソーシャルディスタンシングの重要性を発信するなど、同館スタッフの助けを得ながら“MU Library Cat”が活発に活動していることが紹介されています。
米・アラバマ州ピンソン公共図書館の図書館ネコSocksは、数年前に市議会議員によって子猫とともに救助されて以来、同館に住み着いた図書館ネコです。新型コロナウイルス感染症による休館で、2019年の同館の移転の時のように館内には同館スタッフとSocksだけしかいない状況となったため、また図書館が移転するのではないかと心配していたように見えたこと、などSocksの様子が報告されています。
What It’s Like to Be a Library Cat During the Pandemic(ilovelibraries,2020/8/24)
http://www.ilovelibraries.org/article/what-it%E2%80%99s-be-library-cat-during-pandemic
参考:
E574 – 図書館ネコ「デューイ」,その生涯を終える(米国)
カレントアウェアネス-E No.96 2006.12.06
https://current.ndl.go.jp/e574
退去を命じられていた図書館ネコBrowser、これからも図書館ネコとして図書館に(米国)
Posted 2016年7月4日
https://current.ndl.go.jp/node/31985
CA1904 – 小さな図書館の挑戦 -「猫ノ図書館」開設とねこ館長- / 渡辺貴子
カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1904