米国図書館協会(ALA)図書館史ラウンドテーブル (LHRT) 、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表:米・ロサンゼルス中央図書館の建築史

2020年6月30日、米国図書館協会(ALA)の図書館史ラウンドテーブル (LHRT) が、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表しました。同賞は、応募された未発表の原稿を対象に、図書館史に関する最も優れた小論文(エッセイ)を毎年表彰するものです。

選ばれたのは、米・ニューヨーク大学エルマー・ホームズ・ボブスト図書館特別コレクションセンターのアシスタントキュレータ兼ファカルティフェローであるパーク(Julie Park)氏による“Infrastructure Story: The Los Angeles Central Library’s Architectural History”です。

契約書・理事会の議事録・フロアプラン・改修報告書を用いて執筆されたもので、インフラとしての図書館建築とその空間面での優先事項には深い関係があり、そのことは、永続的で不変と感じられた特徴であったとしても、時間とともに変化する不測の事態に適応することを求めたとして、1978年の非常に混み合った図書館の内部に対する、1926年の当初の美しく区画化された図書館の建物を示し、建物の「歴史的・審美的重要性」は中央図書館をより機能的にするために必要な変化とは共存できなかったと指摘しています。

同賞の選考委員会は、インフラ理論の学際的な利用が独創的であること、図書館の写真・地図を考察に用いたこと、一次資料の利用が優れている事を評価しました。

The Library History Round Table (LHRT) announces the winner of the 2020 Justin Winsor Library History Essay(ALA,2020/6/30)
http://www.ala.org/news/press-releases/2020/06/library-history-round-table-lhrt-announces-winner-2020-justin-winsor-library

Justin Winsor Library History Essay Award(LHRT)
http://www.ala.org/rt/lhrt/awards/windsor-essay-award

参考:
CA934 – ロサンゼルス公共図書館中央館の改修なる / 清水悦子
カレントアウェアネス No.176 1994.04.20
https://current.ndl.go.jp/ca934

米国図書館協会(ALA)図書館史ラウンドテーブル (LHRT) 、2018年度の論文賞を発表
Posted 2018年5月30日
https://current.ndl.go.jp/node/36070