スウェーデン・ボロース大学(University of Borås)が刊行する、情報関連の幅広い研究成果を扱うオープンアクセスの査読誌“Information Research”の第25巻第2号(2020年6月)に、Instagramにおける効果的なハッシュタグの活用方法をテーマとした論文が掲載されています。
同論文はフィンランドのオーボ・アカデミー大学(Åbo Akademi)所属の情報学研究者Ming Zhan氏ら3人の著者によって執筆された論文です。著者らは、図書館へInstagramにおけるハッシュタグのコミュニケーション機能を認識させ、その重要性を概説することを目的とした研究に取り組みました。
著者らはInstagramから、図書館関連のコンテンツを含んだ投稿のキャプション(説明文)を250万件収集し、Python 3.0の統計用アドインパッケージを用いて定量的な分析を行いました。分析の結果として、次のようなことを報告しています。
・ハッシュタグが1つだけのキャプションの場合には、コメント数を増やすには中ほどに配置するのがよく、「いいね」を増やすには最後に配置するのがよい
・8割以上をハッシュタグが占めるようなキャプションは、コメント数の増加にも「いいね」の増加にも貢献していないため推奨しない
・8割未満をハッシュタグが占めるようなキャプションの場合、全てのハッシュタグを文章の先頭に連続して配置するとコメントが0になる可能性が高まるので推奨しない。説明文の最後に配置するのがよい
・全体的にハッシュタグをキャプションの先頭に配置するのは避けるべきである
Zhan, M.; Yu, Q.; Wang, J. Effectively organizing hashtags on Instagram: a study of library-related captions. Information Research. 2020, 25(2), paper 858.
http://www.informationr.net/ir/25-2/paper858.html
参考:
図書館におけるInstagramの利用状況に関する調査
Posted 2014年2月17日
https://current.ndl.go.jp/node/25500
図書館でInstagramを活用する10の方法(記事紹介)
Posted 2012年10月9日
https://current.ndl.go.jp/node/22026
CA1823 – 大学図書館におけるFacebookを利用した広報戦略 / 伊藤仁浩
カレントアウェアネス No.320 2014年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1823