REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第1回テストの結果を公表:図書館で一般的に見られる資料に用いられる5つの素材において3日後には未検出

2020年6月22日、博物館・図書館・公文書館の職員や利用者への新型コロナウイルスへの影響を軽減するための資料の取扱方法について、科学的根拠に基づいた情報を作成・普及させることを目的としたREALM Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第1回テストの結果を公表しました。

米国の公共図書館において一般的に見られる、ハードカバーの表紙(バックラム)、ペーパーバックの表紙、本に用いられている用紙、プラスチック製の本の保護カバー、DVDのケース5つの素材を対象にテストを行った結果で、新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルスが3日後には検出されないことを発見したとしています。

実験は、関連する研究文献のシステマティックレビューに基づき、エアコンが効いたオフィスで典型的にみられる標準的な温度・湿度下で行われ、ハードカバー・ペーパーバックの表紙やDVDのケースでは1日後に、本に用いられている用紙やプラスチック製の本の保護カバーでは3日後には未検出であったと説明されています。

今後、6月中に追加の5つの素材の実験を実施し、7月末には結果が出る予定です。また、公共図書館の再開館事例を収集・選定し、今週中にウェブサイトで共有される予定です。

REALM Project update: Round 1 test results now available(OCLC Research,2020/6/22)
https://www.oclc.org/research/news/2020/realm-project-update-round-1-test-results-available.html

Research shows virus undetectable on five highly circulated library materials after three days(OCLC,2020/6/22)
https://www.oclc.org/en/news/releases/2020/20200622-coronavirus-undetectable-after-3-days.html

REALM Project Round 1 Test Results Available(OCLC WebJunction,2020/6/22)
https://www.webjunction.org/news/webjunction/test1-results.html
https://www.webjunction.org/content/dam/WebJunction/Documents/webJunction/realm/test1-report.pdf
※2つ目のリンクが実験結果のレポート[PDF:4ページ]です。

参考:
REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する研究文献のシステマティックレビューを公開
Posted 2020年6月18日
https://current.ndl.go.jp/node/41248

REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビューを公開
Posted 2020年6月10日
https://current.ndl.go.jp/node/41177