米国図書館協会(ALA)、5月に実施した新型コロナウイルス感染症への図書館の対応状況についての調査結果を発表

2020年6月3日、米国図書館協会(ALA)が、5月12日から18日にかけて実施した新型コロナウイルス感染症への図書館の対応状況についての調査結果を発表しています。

米・公共図書館協会(PLA)が3月に実施した調査の継続調査で、国内の3,800を超す全館種の図書館が回答しています。回答率は公共図書館では30%以下、大学図書館では20%以下、その他の館種では20%未満です。

ALAからのプレスリリースでは、調査結果として以下の点が紹介されています。

コミュニティーの危機に対応したと回答した館の多くが、新たな連携・マスク等の個人防護具(PPE)の配布・食料の支援・正確な情報の提供といった取組を行っています。

再開館に関しては、休館中に拡大したオンライン・電話でのサービスが継続されています。また、ほとんどの図書館で職員の健康と安全のための手順・利用者のソーシャルディスタンシングのための要件・資料の消毒のためのプロセスを策定するための間休館しています。次の段階のサービスとしては路上での資料の受け渡し・郵送・予約制がもっとも一般的であり、37%の館が6月・7月の再開館を予定している一方47%が未定と回答しています。再開館にあたっては、人数制限・時間指定・消毒・コンピューター利用席の削減などが想定されています。

教育のニーズへの対応としては、ノートパソコンや資料の路上での受け渡し、バーチャルレファレンス、オンライン資源にアクセスする方法についての資料の作成、等が行われています。大半の公共図書館では、夏休みの学習活動を対面式からオンラインに変更しており、その他、自宅に持ち帰って使えるキットなども用意されています。

また、オンライン図書館利用者カード、デジタルコンテンツ、オンラインでのプログラムの利用が増加しており、再開館すると、冊子体や特別コレクションの利用・コンピュータやインターネットの利用・学習を取り戻す学生の支援、教員の支援、公共サービスや雇用に関する申請支援等のニーズが予測されています。

ALAでは、今後、1,500以上の回答が寄せられた再開館計画・プロセスについてのレビュー、財務及び職員に関するデータの集計、館種別等の集計を行い、6月に予定されているウェビナーにおいて完全な調査結果と成果を共有するとしています。

Survey: Libraries examine phased building re-opening, prepare summer programs(ALA,2020/6/3)
http://www.ala.org/news/press-releases/2020/06/survey-libraries-examine-phased-building-re-opening-prepare-summer-programs

Libraries Respond: COVID-19 Survey Results (May 2020)(ALA)
http://www.ala.org/tools/libraries-respond-covid-19-survey

LIBRARIES RESPOND: COVID-19 SURVEY [PDF:15ページ]
http://www.ilovelibraries.org/sites/default/files/PLA-MAY-2020-COVID-19-Survey-Results_PDF-Summary-web.pdf

参考:
米・公共図書館協会(PLA)、新型コロナウイルス感染拡大下の公共図書館の対応状況の調査結果を発表
Posted 2020年4月10日
https://current.ndl.go.jp/node/40748