2020年6月2日、オランダ科学研究機構(NWO)は、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”の実施を発表しました。
学術論文のOA化は一般的となり、NWOの助成した研究成果物としての学術論文は、60から70%がOAで利用可能になっていますが、学術単行書のOAへの転換の動きは学術論文に比べると遅れています。このため、NWOは同機構の研究助成により刊行された単行書のOA化に向けた取り組みを強化するプロジェクトとして、“Open Access Books”が実施されます。
同プロジェクトには年間50万ユーロの予算が用意され、2020年6月1日からNWOから助成を受けた研究プロジェクトのプロジェクトリーダー等は、1刊行物当たり1万ユーロを上限としてOA出版のための費用を申請することができます。同プロジェクトにはNWOの予算が続く限り申請を行うことが可能で、当面2022年まで申請が受付されています。
‘Open Access Books’ call: Make your book openly accessible(NWO,2020/6/2)
https://www.nwo.nl/en/news-and-events/news/2020/06/open-access-books-call-make-your-book-openly-accessible.html
Open Access Books(NWO)
https://www.nwo.nl/en/funding/our-funding-instruments/sgw/open-access-books/open-access-books.html
参考:
オランダ科学研究機構(NWO)、2015年12月1日から、オープンアクセスを推進するために助成条件を厳格化
Posted 2015年12月1日
https://current.ndl.go.jp/node/30101
オランダの10の学術・研究機関等が“Nationaal plan open science”を策定し、公開
Posted 2017年2月15日
https://current.ndl.go.jp/node/33467
Science Europe、学術書に対してオープンアクセス(OA)方針を実施する際の重要問題の特定、及び促進・加速に向けての提言等を概説したブリーフィングペーパーを公開
Posted 2019年9月30日
https://current.ndl.go.jp/node/39140
CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子
カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1907