2020年5月14日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)は、報告書“Preparing a European library agenda for the post-Covid 19 age:Work in Progress”の公開を発表しました。
2020年4月、EBLIDAは、新型コロナウイルス感染症拡大危機の間に講じられた、もしくは危機の収束後に何らかの形で実施され得る、対策・実践・可能なサービスを把握するための調査を実施しました。調査には欧州17か国に渡る会員機関が回答し、公開された報告書はこれらの回答に基づいて作成されています。
報告書では、新型コロナウイルス感染症拡大危機収束後の欧州の図書館の行動計画において、次の5点が新しい時代の標準になりうることを指摘しています。
1 急激に増大するソーシャル・ディスタンシング確保要請へ対応し、2メートルの対人距離を保ちながらつながる図書館を実現する
2 最新技術によって図書館を新しい形に変容させる
3 見通しの不透明な経済情勢から、図書館の予算構成を見直す
4 中央集権的なレベル・地域の地方自治体レベルなど、図書館のガバナンスのあり方を見直す
5 気候変動に関わる課題も継続して実施する
なお、報告書は暫定的な(work in progress)内容で作成されており、EBLIDAは2020年5月現在も新型コロナウイルス感染症拡大危機に関連するフィードバックを会員機関に求めています。また、感染症拡大危機収束後の欧州の図書館の行動計画に関する推奨事項を後日発表する予定です。
Press Release: Preparing a European library agenda for the post-Covid 19 age Work in Progress(EBLIDA,2020/5/14)
http://www.eblida.org/news/press-release-covid-19-report.html
Preparing a European library agenda for the post-Covid 19 age:Work in Progress [PDF:30ページ](EBLIDA)
http://www.eblida.org/Documents/EBLIDA-Preparing-a-European-library-agenda-for-the-post-Covid-19-age.pdf
参考:
国際NGO組織NAPLE、欧州の公共図書館における新型コロナウイルス感染症への対応状況を調査したレポートを公開
Posted 2020年5月18日
https://current.ndl.go.jp/node/40967
国際図書館連盟(IFLA)、各国の図書館協会等による図書館を安全に再開館するための計画を収集中:調査結果は“COVID-19 and the Global Library Field”のページで公開
Posted 2020年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/40898
オーストリア図書館協会(BVO)、新型コロナウイルス感染症拡大下における図書の貸出・返却時に図書館が順守すべき衛生対策を公表
Posted 2020年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/40892
イタリア図書館協会(AIB)、新型コロナウイルス感染拡大下における資料の取扱や図書館空間の管理に関する文献レビュー・推奨事項を公表
Posted 2020年5月1日
https://current.ndl.go.jp/node/40887