米・カリフォルニア大学バークレー校バンクロフト図書館の日系アメリカ人強制収容に関する50万点以上のデジタル化資料(記事紹介)

2020年2月19日付で、米・カリフォルニア大学バークレー校図書館が、同校バンクロフト図書館の日系アメリカ人強制収容に関するデジタル化資料を紹介する記事を公開しています。

米国では、第二次世界大戦中の1942年春に約12万人の日系アメリカ人について強制収容所への収容が行われました。この日系アメリカ人の強制収容については、1945年9月に強制収容と収容所の監督を担当する戦時転住局(War Relocation Authority:WPA)が写真・報告書や被収容者の手紙等を含む、強制収容に関する広範な記録の写しをバークレー校へ提供しています。また、1940年代後半には、日記やインタビュー、収容所を訪れた学生による現地調査報告等で構成された、同校の社会学者トマス(Dorothy Swaine Thomas)教授による別の大規模コレクションが同校の図書館へ提供されています。こうした経緯を経てバンクロフト図書館は、世界有数の日系アメリカ人強制収容に関する資料を包括的に所蔵する機関となりました。

2011年から同館はこれらのコレクションをデジタル化する大規模プロジェクトを開始しています。国立公園局(National Park Service)の“Japanese American Confinement Sites Grant Program”による資金助成を受けて約55万点の資料がデジタル化され同館のデジタルアーカイブ上で公開されました。

現在、5度目の助成が承認され、新たに15万点の資料のデジタル化が進められています。また、同館は、被収容者の宗教・教育から趣味に至るまであらゆる事項を含んだWRAの被収容者識別用紙から、匿名化されたデータセットを作成し、米国国立公文書館(NARA)へ提供することを予定しています。

ブログ記事ではその他当時の関係者へのインタビューによる資料の紹介等が行われています。

‘Our job as citizens’: UC Berkeley Library digitizes massive trove of materials on internment of Japanese Americans(Berkeley Library News,2020/2/19)
https://news.lib.berkeley.edu/remember

The Japanese American Evacuation and Resettlement: A Digital Archive
http://bancroft.berkeley.edu/collections/jacs/index.html

参考:
米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、日系アメリカ人収容所関係資料デジタル化プロジェクトの完了を発表
Posted 2018年10月10日
https://current.ndl.go.jp/node/36798

カリフォルニア大学バークレー校、日系アメリカ人立退・再定住研究のデジタルアーカイブを公開
Posted 2014年5月2日
https://current.ndl.go.jp/node/26059