2020年1月31日、国際博物館会議(ICOM)の提携機関(affiliated organization)である国際美術館会議(International Committee for Museums and Collections of Modern Art:CIMAM)は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」における企画展「表現の不自由展・その後」の展示再開に尽力した関係者を賞賛する声明を発表しました。
CIMAMは声明の中で、政治的圧力から自律を回復し展示の再開を実現したアーティスト・学芸員らの尽力は称賛に値する行動であると言及しています。展示に関係するアーティスト・学芸員らは共同して、展示の中止によって提起された問題について自由で活発な議論を行うための開かれた場を構築し、積極的な教育プログラムを通して議論を公共の場へ拡大しながら、展示が直面した問題の対処に努めました。CIMAMは、再開された展示期間が閉幕前の6日間という短い期間であったとはいえ、この関係者の尽力によって、展示の再開が政治的圧力への反対声明としての象徴的な重要性を反映することになった、としています。また、文化庁が「あいちトリエンナーレ2019」への助成を中断していることについて深い懸念を示し、2019年10月10日付の声明で示した文化庁への助成再開の要請をこの声明の中でも再度行っています。
CIMAMは1962年に設立されたスペインのバルセロナに事務局を置くICOMの提携機関で、近代・現代美術分野における美術館や専門家の世界的ネットワークの養成を目的に活動しています。
Aichi Triennale re-opened thanks to the artists’ and curators’ efforts(CIMAM,2020/1/31)
https://cimam.org/news-archive/aichi-triennale-re-opened-thanks-to-the-artists-and-curators-efforts/
関連:
CIMAM questions the decision of the Japanese Agency for Cultural Affairs to withhold the funding granted to the Aichi Triennale 2019(CIMAM,2019/10/10)
https://cimam.org/museum-watch/museum-watch-actions/aichi-triennale-will-reopen-exhibition-comfort-woman-art-work/
参考:
全国美術館会議、文化庁長官宛に「『あいちトリエンナーレ2019』への補助金不交付の撤回を求める要望書」を提出
Posted 2019年10月10日
https://current.ndl.go.jp/node/39239
図書館問題研究会、「『表現の不自由展・その後』への脅迫と介入を強く非難し、表現の自由を守るためのアピール」を公開
Posted 2019年9月2日
https://current.ndl.go.jp/node/38930
図書館問題研究会、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金交付を求める要請書を公開
Posted 2019年9月30日
https://current.ndl.go.jp/node/39135