英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)に“Read & Publish”モデル契約を提案

2020年1月28日付の大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)のお知らせで、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)がオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、“Read & Publish”モデル契約の提案をJUSTICEに行ったことが発表されています。

JUSTICEのお知らせによると、CUPからのモデル契約の提案は2019年8月29日に行われ、提案期間は2020年から2022年までの3年間です。同契約はオプトイン方式であり、JUSTICEに加盟する500以上の大学図書館・研究図書館は、従来の「購読料モデル」と新たに提案された「Read & Publishモデル」のいずれかを選択することができます。「Read & Publishモデル」を選択した機関が、FTE(フルタイム換算値)ごとに定められた購読費とOA出版のための追加経費を支払うことで、その機関に所属する著者は、契約コレクションの対象タイトルに無制限でOAの論文を出版することが可能になります。

2020年1月27日付のCUPのお知らせによると、同契約は日本で最初の大型の“Read & Publish”契約であり、JUSTICEにとって初めて出版社と締結した“Read & Publish”契約となります。また、CUPにとってはアジア地域で初めて締結した“Read & Publish”契約となります。

JUSTICE運営委員会の細川聖二委員長はCUPのお知らせの中で、「JUSTICEのOA2020ロードマップに沿った、我々にとって初めてとなるCUPとの“Read & Publish”契約締結を発表できることを嬉しく思う。今回の契約締結が日本の学術コミュニケーションのさらなる転換の嚆矢となることを期待する」とコメントしています。

JUSTICE会員館は、会員館限定ページの提案書で詳細な内容を確認することができます。

[2020.1.28] Cambridge University Pressが、JUSTICEにRead & Publishモデルを新提案(JUSTICE,2020/1/28)
https://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2020/20200128.html

Press strikes first major read and publish agreement in Japan(CUP,2020/1/27)
https://www.cambridge.org/jp/about-us/news/press-strikes-first-major-read-and-publish-agreement-japan/

OA agreement – JUSTICE(CUP)
https://www.cambridge.org/core/services/open-access-policies/read-and-publish-agreements/oa-agreement-justice

参考:
JUSTICEのOA2020ロードマップが公開される
Posted 2019年3月28日
https://current.ndl.go.jp/node/37893

大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、OA2020の関心表明に署名
Posted 2016年8月12日
https://current.ndl.go.jp/node/32308

E1189 – 大学図書館コンソーシアム連合JUSTICEの誕生:現状とその将来
カレントアウェアネス-E No.196 2011.07.07
https://current.ndl.go.jp/e1189

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とスペイン国立研究協議会(CSIC)、3年間の“Read & Publish”契約を締結
Posted 2020年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/39998

早稲田大学、米国物理学協会の出版部門(AIP Publishing)と試験的な“Read and Publish”契約を締結
Posted 2019年7月25日
https://current.ndl.go.jp/node/38665